レッスン風景

ボイストレーニング「指導の実践」

声と歌の基本〜効果的な指導方法〜

 

<指導の実践にあたって>

1, ボイストレーニングは3本の柱で成り立っています。

  [ 1,呼吸法 2,発声法 3,歌唱・表現法 ] の3本柱です。
  狭義の定義は「声を出すために必要な筋肉をトレーニングすること」と言えます。もっと狭く言えば「ボディートレーニング」とも言えます。
  話し声・話し方のトレーニングについても、歌を使った方が筋トレがしっかりでき、
  声がしっかりして長いブレスで長いフレーズを確実に言うことができます。

 

2, 指導システムは歌・話に必要な要素を分析・整理して、組み上げてあります。

  指導順も効率的に組んであります。したがって指導順序を変えての指導は絶対にしないでください。
  系統的に組んでありますから順序が変わると同じ事を再度指導しなければならないことになってしまいます。
  再指導は新鮮さが薄くなります。システム通りに指導してください。

  次のような場合には例外になります。
  システムはワンレッスン30分を単位として編成してあります。しかし生徒によっては30分で終了できないことがあります。
  この場合には切りのよいところで分離して2回あるいは数回に分けて指導することも可とします。
  発表会やデモテープ作成などで集中レッスンが必要な場合には少しの間、システム指導を中止して集中レッスンをすることも可です。

 

3, トレーニングの指導は系統的・継続的でなければ効果はありません。

  [ 継続して指導する ] ことと[ 新しい要素を指導する ] こととは分離してレッスンの流れを作ることが必要です。
  呼吸や発声の指導は継続しなければ効果がありません。しかも内容的に精度をレベルアップさせます。
  新しい要素を指導する時には最初は「 浅くても一応できる程度 」にして、次からは徐々にランクアップした内容を継続指導に組み込みます。
  なお初心者の終わりには2〜3回を総合指導としてプラスしてあります。
  呼吸・発声・歌唱についてあまり身についていない要素を補っておきます。
  初心者の要素はボイストレーニングの「基礎となる重要な部分」だからです。

 

4, 上級指導では担当講師が各生徒に合わせたマニュアルを作成して指導します。

  上級指導では参考資料としての上級編マニュアルはありますが、あくまで参考資料です。システムはありません。
  各生徒個人の能力・方向性・中級までの要素の中で身に付いている度合いなどに合わせて生徒個人のマニュアルを組み上げて指導して頂きます。

 

5, 指導は体感指導でします。講義式指導はしません。

  身体で覚える内容の指導は一方的な説明では指導効果は得られません。
  身体で感じて「こうするとこうなる」の積み重ねで身についていく指導方法をとります。
  結論を先に言う講義式は絶対に用いません。これがセンスアンドボイスの指導方法です。

 

6, 体感指導の補助手段としての指導資料を活用してください。

  体感指導をするためには言葉では通じないことがいろいろあります。
  そのためにいろいろな指導資料が用意してあります。活用してください。

 

7, 「呼吸練習」・「発声練習」ではなく「呼吸指導」「発声指導」をしてください。

  ・・・練習というと機械的にパターンをさせることが一般化しています。パターンの中に呼吸や発声の指導を含めます。
  「吸気アクションが変形していたり、支えが弱くなっていたり」していないかをチェックし、指導する唯一のチャンスです。
  基礎指導のためには「…練習でなく、…指導」を徹底してください。
  見逃すと直すのに長期間を要します。間違いがあってもノーチェックを繰り返しすることは「間違いを身につける練習」になってしまいます。

 

8, ワンレッスン中の時間配分は系統的・継続的指導に大切なことです。

  30分の単位時間の時間配分は継続指導をするのにとくに大切なことです。
  今日の要素指導の前に必ず呼吸・発声指導をとり毎回レベルアップを期待する指導をします。
  時間配分がはっきりしていると今日のレッスンの流れがきれいにでき、生徒の満足度が上がります。これが在籍期間の延長にもつながります。
  レッスンの流れ
  呼吸・発声指導 (10分位)⇒ 要素指導 及び関連した歌唱指導  (15分位) ⇒ まとめ(5分位)

  ※新しく指導した要素を実際の歌の中で応用指導をします。

 

9, 「身につける」は段階的に考えます。

  レッスン中に「あっ、これもできていない」と思うことがあります。するとこれも指導しなければと思い、つい指導に入ってしまうことがあります。
  このようにするとレッスンの流れが予定通りにできなくなってしまいます。
  こんな時には次にまわし、指導記録にメモしておきます。いつもレベルアップは期待しますが、レベルアップは徐々に段階指導を心掛けてください。
  いろいろな要素が身につくのは次のように考えてください。
  [頭で理解する]⇒[身体で出来る]⇒[習塾する]⇒[身につく]⇒[無意識に出来る]⇒[いつでも出来る]

  ※すべては呼吸が基礎になります。歌唱時の呼吸についてはブレスと言葉を一体化した部分練習をさせます。
    このような方法をすると身に付きます。自然のままではなかなか身に、付くようになりません。
    呼吸法については特に無意識に出来るようになっていないとステージや録音や通して歌う時に緊張してしまってできなくなることがあります。

  ※初心者の呼吸を長期間するとそれだけが身についてしまい、本格呼吸ができなくなります。

  ※初心者の期間は3ケ月とします。あまり長いと支えを揺らす癖が身についてしまいます。

 

10, 発声練習パターンの選択は最も適切なものを。「無理なものはさせない」

  発声練習パターンは段階に合ったものを使用すべきです。
  ハイレベルなパターンを使用して呼吸などの基本がくずれると「くずれた方法を身につける練習」をしていることになります。
  段階的指導の理念に基づいて、出来る範囲で少しハイレベルなものはOKです。テンポを変えるだけでもハイレベルになります。

  最初は上行五度・上下行五度からスタートして、長い間続けるべきです。一番の基礎です。
  上行五度で横隔膜の支えを安定して出来ることを身につけさせます。上下行五度では下行のときに支えを弛めてしまわない練習をします。
  あくまでも失敗することは再度させないことです。失敗を繰り返せば失敗の練習になります。
  この意味でハイレベル過ぎるパターンは持ち込まない方が良いことになります。

  次に発声指導の時の発音についてのことです。
  「A母音」には子音がありません。初心者に「A母音」で発声させると喉を緊張させてから発声に移る事をしたりします。
  だから「A母音に限らず母音での発声練習は避けるべき」です。
  子音「n」や「m」があって鼻腔に響いた声から発声すると、喉声を混ぜない発声がしやすくなります。その他はかなり高度になってから使うべきです。

 

11, 指導したこと以外は持ち込まない。

  前記のこともありますが、例えば口の開き方・口形・母音の指導をしていない内に母音発声をさせると生徒の癖を強調させる練習になってしまいます。

  「できるようになったことを身につくまで練習する」という考えをしてください。
  練習という言葉には二つの意味があります。
  @「練習とは出来ないことをできるようにすること」という意味。
  A「出来るようになったことを身につけること」という意味のふたつです。

 

12, レッスンの終わりに。

  今日のレッスンの指導要素が確実に出来ることを期待しなくてもOKです。
  今日の内容と方法が分かればよい位に考えます。あとは自宅で身につけるようにします。

  そして今日のレッスンについて、何かひとつを取り出して「できたね」と、言ってあげます。
  お世辞でなく事実を言ったと思わせる言い方で言います。
  次いで今日のレッスンの中の何ができるようになると、もっと良くなりますよ。
  と言って終わると「満足と期待」ができて次回を楽しみに来ることになります。

<レッスンは次の一週間に自分が練習することを教えてもらう時間です>

 


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